第6章 免許2
同じベッドで寝るのもジュニアの頃からしていたからなんの違和感もないし、むしろ落ち着く。メンバーが横にいると怖い夢とか見ることも少ないし。
錦「今日は俺が泊まろっかなぁ」
「別にええけど…亮ちゃんは他に泊まりに来て欲しい女ん子いてるんとちゃうん」
錦「なんでそんな事言うん!いてないわ!!霄の部屋に泊まりたいねん、俺は!!!」
「知らんがな!」
キャーキャーとじゃれあっていると、「出番です」の声がかかった。
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『そうそう。バイク来てないか見て』
路上に出て、一般道を走る緊張感。いくら見た目で教習車と分かると言えど、一般の人からしたら邪魔だろうな。。。
ましてや後ろに撮影車もおるし。
『ああ、そういえば途中でツアー始まるって言ってたね』
コーナーを曲がり終え、真っ直ぐの道になってから先生がそう言った。
「そうなんですよ!!一応合間合間で学校来るつもりですけど、間隔空いたら今より出来なくなりそうでこわいんですよねえ」
『大丈夫大丈夫。間隔空いて逆に上手くなる子もいるし。仮免期間にもまだ余裕ありますから』
早めに学科も受け終えて、実技も出来るだけ入れておけば、ツアーファイナル前になんとか行けるかもしれない。
「がんばりまーす…」
正直、自信はないけど。
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ダンス練習の合間やストレッチをしながら教科書を開き、頭に叩き込む。
「あかーん!!!メトロノームのカチカチ音が方向指示器の音に聞こえるー!!!」
と、霄が叫びだした。
安「さすがやなあw方向指示器やて」
横「俺らはもうウィンカー言うてまうけどなあ」
村「方向指示器は長いからなぁ」
渋「もはやあいつのアレは病気とちゃうか」
口々に言う。
「ほらほら霄、落ち着きや。はい、バナナ」
俺が持ってたバナナを差し出すと「ふざけろし!」と霄が牙を向いてきた。
「わー野獣や〜」
棒読みしながら逃げるふりをすると霄もノッて追いかけてきた。その後からすばるくんも追いかけてくる。
「あ、たっちょん、ケータリングのひつまぶし食べたあ??」
がしぃ、と後ろから腰に手を回されて捕まった。