第6章 免許2
「無理、しとらんか」
二人になって、すばやんが最初にそう言った。
「ん?なんで?」
「や……なんとなく…」
すばやんが髪をかきあげた。
「……免許は取りたい思うてたん?」
「ん〜…思ってはいたけど『いつかは、』て感じやったかなぁ。今は仕事忙しくないこともあるから、取るなら今やろし、みたいな。」
「ほんなら今回のは急いだ感じちゃうん」
「そうやねぇ…でもせっかくプライベートじゃなく、仕事としても意味があるから。まぁ…受講料も折半だし?それに『いつかは、』だったのが『早く取りたい』って自分でワクワクしてるから楽しいよ」
わたしの言葉を受けて、すばやんは頭をポンポン、としてくれた。
いつもはよこちょとかヒナちゃんがポンポンしてくれることが多いけど、こういうとき、すばやんが珍しくポンポンしてくるから嬉しい。
「取ったらどこ行こか」
「そうだなぁ~」
みんなで一周とかしたいね、と話しながら帰った。
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「はぁ~〜~!!何!ほんなら昨日俺も行けば良かったー!」
翌日、その日の最初の仕事で一緒になった亮ちゃんが叫んだ。
「なしてよw」
錦「や~すばるくんが霄ん家でどう過ごしてるか気になるやん」
知らんわ
「どう過ごすも何も……特別なんかする訳とちゃうけどなぁ」
大体みんな、わたしの家に泊まったことあるけど…
あ、でもそれぞれ微妙に過ごし方ちゃうかも。
「そやなぁ…すばやんはホンマに何もせえへんね。」
錦「は?どういうこと」
わたしの家に泊まった時、考えてみればみんなまぁまぁいろんな行動してる。
たっちょんはごはん一緒に作ってくれるし、丸ちゃんも「なんか手伝えることないか〜?」って言ってくるし、章ちゃんは手伝いが終わるとギターのチューニング。よこちょはゲーム持参とかしてくるし、ヒナちゃんはもはや自分の家かのように動き回る。今話してる亮ちゃんもいろいろ手伝ってくれるし。
そう考えた時、すばやんの行動を思い返す。
「何もせんわ、あの人。」
錦「そういうことな…」
昨日だってボケーってしてるか、勝手に雑誌読んでるか。
ベッドだって問答無用で自分が使うからわたしも遠慮なしに同じベッドに潜り込んだ。