第3章 免許
(窓を開けといて、と…)
踏切に模したところの一時停止で止まり、
左右を見る。
本物の踏切ではないから電車も通らなければ、
音もない。
でもここもしっかりと注意深くいかなくては。
ここを通り過ぎたらクランクだ。
クランクは『この位置からハンドルを切り始める。』というのを教えて貰ってはいたけど、明確に印があるわけじゃないから、なかなかに難しいと思う。
位置を間違えれば場合によってはポールすれすれになることもある。
(あっ、良い感じかも!)
車がスイ~と曲がり、次のポールへとさしかかる。
(あ、ちょっと寄りすぎたかな…!)
コーナーの内側寄りになってしまい、後ろのタイヤが落ちないかヒヤヒヤした。
けどギリギリ通ることが出来た。
(よっしゃあー!!!)
クランクも無事に抜け、次は場内の一番外側を一周する。
この時に40㌔出す場所がある。
ここは得意。
最初は怖かったけど、今ではもうスピードを出すのも怖くない。
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丸「なんか40㌔て普通だったらそんな速いって思わないけど、今ここだったらすごい速く思えるやんなあ〜」
横「せやんな~」
丸「あと坂道発進?」
横「と、最後の停めやな。寄せれるかやからな。最後は。」
霄の車は40㌔を出す場所を抜け、
坂道発進に向かう。
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坂道発進は坂道で止まった場合を想定してやる。
する場所も傾斜のあるところだ。
途中で止まって、そこから発進する。
発進する際、一瞬だけ後ろに下がるのがまだ少し怖い。
でもマニュアル車じゃないから、エンストすることは無い。
(よっ、こら、せ)
坂道発進は失敗のしようがない。
これは…
(合格、できるんじゃない?)
不安だったS字やクランクも失敗しなかったから、心に余裕ができる。
(でも余裕ぶっこいてたら普段しなかった失敗をしちゃうから…)
思い直してまた改めて適度な緊張感を持つ。