第3章 免許
丸「あ、ええ感じとちゃう?」
横「や、まだ出たばっかやん」
霄の試験が始まった途端、丸山が声を上げた。
しかし、横山の言う通り、
まだコースに出たばかり。
丸「でもほら、ちゃーんと真っ直ぐやで?」
横「さすがにここでフラフラしてたらあかんやろ」
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え、S字や…!
クランクも大概やけど、S字好かんねん…!
上手くいく時もあったけど、それで調子乗ってたら失敗してん!
脱輪て一回目は減点されるんけ?されんのけ??
いや、1回くらいならOKとかやないわ!
せんどけばええねん!
ここでこれくらいハンドルを切るってのを言われて、それをしていたけど、
でもそれだけやなくて、ちゃんと車幅とか、タイヤの通り方とか。
全部考えてせな。
大丈夫。
大丈夫。
間隔なんていつもメンバーと練習してるやん。
焦らないように、
ゆっくりと。
でもゆっくりすぎると逆に分からなくなってしまうから、
自分が判断できるギリギリのスピードで。
(やった!抜けた!)
S字を終え、また道に出る際に油断して見落とさないように、しっかりと止まる。
ここで左右を確認しなければ減点。
右よし左よし…
確認しながらゆっくりと左に曲がる。
この後は踏切を模したところ。
そしてその次がクランク。
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横「S字が先やったんか!
ちゃんと抜けれたやんな?あれ」
丸「せやんね、脱輪もしてへんやったやろ?」
遠くから見てるので、脱輪したかどうか分からなかった横山と丸山がスタッフに聞いた。
ス「そうですね。脱輪はしてないみたいです」
スタッフのその言葉にホッと安堵する2人。
丸「ほんならもう大丈夫やない??
苦手なん、S字だけやろ?」
横「いや、クランクもギリギリで擦らんかが……」
丸「あ〜……練習で何回か危なかったって言うてたね…」
霄が運転する教習車は踏切を模した所に面していた。