第1章 Fall in Love!
美緒は級友たちと昼休みを謳歌していた。綺麗に舗装された屋上で、友人らと輪になってお弁当を広げていた。
いつも絢爛豪華な学生食堂でお昼を済ませる彼女たちだったが、級友の中ではずいぶんとと庶民派である美緒が屋上での手軽なレジャーを提案し、みんながその話に乗る形で屋上に輪を作ったのだった。
話に花が咲き、のどが渇いた彼女らは、誰か代表を決めて一階の自販機まで飲み物を買いに行くことにした。
こういう勝負事にめっぽう弱い美緒は、あれよあれよという間にジャンケンに負け、大量の小銭と彼女らが所望するドリンクのメモ書きを握らされて盛大に輪から送り出されたのである。