第1章 Fall in Love!
美緒が7人分のドリンクをどうやって持って帰るか思案しながら階段を降りていると、向かいから大柄な男子と目つきの鋭い男子と長身の男子がつるんで階段を上がってきた。
その銀髪長身の男子に、美緒は見覚えがあったのだが、どこで見たのか思い出せない。すれ違いざまに聞こえた会話の授業内容から、どうやらひとつ下の学年であるということが分かったが、美緒は下級生に知り合いなどいない。
不思議に思いながら踊り場に足をついた美緒の耳に、階段の上から、殆ど叫ぶように発せられた声が届く。
「鳳!!」
その声に反射的に振り返った美緒は、瞬時に状況を判断して腕を伸ばした。
落ちてきた銀髪長身の彼を、その腕で受け止め、衝撃を吸収して見せたのだ。
その場にいた誰もが、華奢に見える少女と、長身の男子の衝突に目を瞑り、息を呑んだ。
しかし、どさりという音と
「ふんっ!!」
と踏ん張る声が聞こえたっきりで、ギャラリーが恐る恐る目を開くと、なんと少女が男子を抱きかかえていた。それはもう、ラピュタのパズーのように。