第3章 正夢リヴァイバル
言葉を唱えられる度、恐怖と苦痛が身を支配する
堪えるように口を紡ぎ、終わりを待つ
私の知ってる終わりを
だけど……
「…………それは、俺の業だから、俺が判断するよ」
「!」
知ってる話じゃなくなった……
私の正夢が変えられた
目を見開く私に、優しそうな瞳で続ける
「間宮は無関係だった……何も間違ってないよ。間違ってたのは俺だから。贖罪を捧げるのは間宮じゃなくて、俺なんだ」
だからね……と、両手が私に伸びてきて……
パシャ……!
「……!…………」
「…………間宮、ごめんね。信じられなくなるなんて言って。……良いんだよ、俺に合わせなくても。間違ってたのは……間宮じゃないから」
耳元で謝罪を口にし、私の体を強くその手に納めた
持っていた傘は落ちて、冷たい雨が当たる
カルマも当然濡れてたから冷たいのに……何でかな
暖かさに涙がもっと溢れた
「っ…………ふ」
「……殺せんせーにも言えなかったんだよね。俺を嫌ってるもうひとつの理由……」
頷く
「信じられたかったんだよね。俺に。裏切らないって、伝えたかったんだよね」
頷く
「でももう疲れちゃったんだよね……偉いよ、よく頑張ったよ……良い子だ。あの日、泣きたかったんだよね。良いよ、今日泣いても」
頷く
頷いて……頷いて…………
泣く
声をあげて、しゃくり上げながら
仮面なんて、もうつけられないくらいに壊れたように
「……泣き終わったら許してあげる。”雪乃”」