第10章 未来的アナザーエンド
「それじゃー、いっくよー!」
「おー!どんとこーい!」
「いい方向に頼むよー」
「それは無謀なんじゃ……」
ブーケを掲げ
大空に投げる
この幸せが、誰かのもとへ行くのなら
私は言葉を授けよう
The course of true love never did run smooth.
「あ、取った!」
「おー、流石茅野ちゃんだねぇ」
「どういう意味かな、カルマ君」
直訳
真の恋の道は、茨の道である
偉人
ウィリアム シェイクスピア
どんなに苦しくても
「あ、そうだ」
「ん?」
どんなに辛くても
「ちょっとこっち来て」
「?…………わぁっ!?」
先へ歩んでください
足が浮き
背中と足裏に手が添えられる
もう何年も前に経験した感覚が返ってきて
景色が高くなった
「羨ましいねぇ、お姫様~?」
「リゾート、思い出すわね」
「中村ちゃんは黙って!?速水ちゃんは思い出さなくていいです……!」
きっと
こんな未来が訪れるなんて想像もできないと思うけど
諦めるより、ずっといいから
茨の道を越えた先にある
その未来を
知ってほしいから
「……殺せんせー…………」
「…………雪乃」
E組の騒ぎように苦笑いをこぼしてから
空に手を伸ばして
乞う
「この先も、どうか私たちを見守っていてください」
そう
貴女の残した未来まで
Last ending……
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