第3章 正夢リヴァイバル
「わぁぁあ!うわぁぁん……!」
ぎゅ……と、俺の服を握り、雨よりも大きな声で泣いた
それはまるで、何かを乞うように
過呼吸を起こしても構わないという勢いで
「ひぅ……っく、ぅう…………カ、ルマっ……」
「ん、なに?」
「……カルマ……っなんて……、身勝手だし、他力本願だし……わかってない、くせに……わかってる、し」
「うん」
「私が、嫌いなら……ほっといてよ……!私より、お人好しだよ!なにもっ、得なんて、ないんだよ」
「うん」
「……私は貴方が嫌いなんだよ、カルマ…………でも、もう……私の知らない、怖いカルマにならないで……」
悪口からの……最後の懇願
震える声がどうにも気分が良くて……
その弱い姿が嬉しくて……
プライド高い彼女が大人しく腕に収まってるのが高揚して……
俺に懇願してるのが優越して……
それらすべてを肩口に隠して笑う
「……お願いだから」
「……わかったよ。でも……雪乃が知らない俺はまだ居るかもよ?それは……俺に頼んでも無理だよ」
「…………いい、自分で知るから。このゲームは……許してもまだ続くから」
「そう……じゃあ頑張れ。応援してるよ……雪乃が俺を攻略するの」
「うん、期待しといて」
俺の肩から顔を離して、涙の止んだ表情で笑う
「……ありがとう。目が覚めたよ…………たくさん、また、ありがとう」
これは前と同じだ
許しても良い笑顔だ
「どういたしまして……」