第3章 正夢リヴァイバル
「雪乃だよ。私の名前は……。夢の間宮じゃない……!」
「間宮だよ……あんたは間宮 雪乃だ。夢でも現実でも……一人の人間…………自分で言ったでしょ」
言ったよ、言ったけど……
これは違う……
「でも今は現実だ……意思とは無関係に進む夢じゃない。変えれるよ。目、覚まそうよ……そろそろ」
「……嫌だ…………過去を変えるなんて出来ないもん……!」
「だから”今”くらいなら上書きできるって言ってるんだよ!」
ビクッ!
驚いてカルマの目を見ると、しっかりと私を見ていた
濡れた髪から覗く瞳は……夢の瞳とは違う
「…………送ったよね、自分で。正夢になったら……って」
メールだ
履歴もあるからたしかにそう
「……俺は拒絶されるの覚悟でやってるんだよ…………それに応えて貰えない?」
捉えるではなく、見て、やっとわかった
カルマは……リスクを承知で私に頼んでる
自分に損しかないのに……本気で…………
「………………はい……」
「……ありがとう」
私の頬から手を外し、繋いでいた手も離す
離されても、私は逃げようとはしなかった
それに応える義務があるから
少し背伸びをして……傘を彼に傾ける
もう、傘を差しても無意味なくらいに……濡れてしまっていたけれど
私は……こうするべきだと悟った