第3章 正夢リヴァイバル
渚たちが帰ってから、母親に言われたので体温計で熱を測る
「ん?雪乃、スマホ光ってるよ?」
「え」
視線を動かして、スマホの通知にやっと気がつく
全然見てなかったから気が付かなかった
「鳴ったら置いといてね。晩御飯の準備してくるわ」
「はーい」
スマホを手に取り、画面を確認
二件の新着
一人は茅野ちゃん
お見舞いに行くという内容のメール
もう一人はお父さん
お昼休み中にメールを打ったみたいだ
それぞれに簡潔に返し、スマホを置こうとすると……
着信……?
メールじゃなくて……これは着信
スワイプして耳に当てる
「……もし、もし……?」
『声、変だよ』
おい、一声目がそれとは良い度胸してるな
「……黙りますよ。カルマ」
『その愚弄は元気と判断して良いの?』
「ただの熱だよ」
『でも声が変だから風邪かもね。ちゃんと寝たの?』
「寝た。ざっと六時間くらいかな」
時計を見て指折り数える
二度寝ぐらいしてるからそのくらいだろう
『そ、寝れたならなによりだ。電話に出なかったら寝てるだろうなーって思ったし』
「それで電話したの。今熱図ってるところだよ」
『何度?』
「まだ鳴ってない」
そう答えたところで可愛らしい機械音が鳴る
「えーと…………37.4……微熱ね」
『対して熱も上がった様子は無さそうだね』
「うん、ずっと寝てたから」
『正しいよ。寝不足もあるんだし』
やっぱりそれですか
そうですよねー、皆そう思いますよね
心のなかで苦笑いがこぼれる
そうすると、カルマは思い出したように続けた
『あ、佳奈さん居る?』