第3章 正夢リヴァイバル
コンコン……
「雪乃ー、渚くんと茅野ちゃんがお見舞いに来てくれたみたいよ。起きてる?」
「…………起きてる。入って構わないよ」
扉の向こうから聞こえた声はいつもより少し低い声量で、部屋のドアから覗くと、彼女は少し感情のあまり籠ってない瞳をしていた
「こんにちは、間宮さん。体調大丈夫?」
「あぁ、渚……大丈夫だよ。ただの熱だからね」
だけどそれは僕らを捉えた瞬間にいつもの瞳に変わる
さっきのがただの幻覚と思わせるような笑顔で
「明日は休日だからゆっくり休んでね。土日で体調万端に!だよ!」
「茅野ちゃんの元気さ見てたらもう元気になってきたかもしれないよ。茅野ちゃんは偉大だねー」
「雪乃から抱き付いてくれた!!わぁぁ、病気の雪乃は甘えんぼだー……!」
変なところで感動してる……ほんとに好かれてるな
そんな二人を眺め、僕は鞄からプリントを取り出す
「はいこれ、殺せんせーが今日の授業内容まとめたって」
「流石……ありがとう」
「薬飲んだ?」
「うん、ついさっきだけど。あ、茅野ちゃん、食べきれなかったからそこのプリンあげるよ」
「ほんとに!?ありがとう!」
「いえいえ、勿体ないからね」
「じゃあ、僕らはそろそろ帰るよ。ごめんね」
「ううん、私こそごめん。渚……来たくなかったよね。ごめんね」
瞳を伏せがちに謝られ、慌てて手をふる
「良いんだよ。お大事に」
「うん、ばいばい」