第3章 正夢リヴァイバル
話……話ってなんだろ
なんか私したっけなぁ……思い当たる節がない
カルマ相手以外に暴言吐いた記憶もないし
そもそも、私が吐くわけがない
精密な秩序で守られたボーダーラインを……自ら越えようなんて
するわけがない
悩みながら窓の方へ帰ると目の前に飛んでくる紙パック
「い!?」
「雪乃の勝ち。それあげる」
「もっとなんとかって渡し方無かったの!!」
「負けたことにイライラしてて……つい」
「ついなら仕方ない……」
ギリギリで受け止めた報酬を口に含みながら、タマゴサンドを差し出す
「お腹一杯だから食べて。それと機嫌を治そう」
「賭けの意味ってなんなの?」
「飲み物奪えれば私は満足だし、勝ったという証明だけで嬉しい」
「性格悪……案外人のこと言えないよね」
「貴方限定」
さて、と……
イリーナ先生が勝ったことはわかった
E組在住決定だ
でも……
ロヴロ先生のようなプロの殺し屋が出てき始めた
修学旅行でもレッドアイ……プロスナイパーを使ってでの暗殺
そして律のような兵器……
私たち以外にも先生を狙う集団はたんまりと潜んでる
私はどちらかというと暗殺には消極的
技量云々の問題じゃなくて、どこかでボロを出してしまいそうだから……
銃は速水ちゃんのようにスナイプ的なのは無理
ナイフは岡野さんみたいに軽快的なのは無理
私は、基礎が皆と違うから
他の物で補ってこその実力
例えば…………それは
「あれ?間宮、それカルマが持ってなかったっけ?」
「奪ったの。賭けに勝ったから。磯貝くんは賭け事やらなそうだね」
「あんまりな。負けたときが嫌だし」
「勝ったときは嬉しいけどね」
それは……また別の場面で披露できるだろう