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【暗殺教室】君が好きになるまで

第3章 正夢リヴァイバル


『誰か好きな人、間宮さんはいるの?』


一回、聞いたことがある


『……珍しいこと聞くんだね。んー、そーだねー』


言葉濁しをした後、笑顔で言われる



『みんな、みんな好きだよ。クラスの人たちみんな好き』



どこの天然発言かと思ったけど、嘘のようにも思えない


『渚はこっくりさんってやったことある』

『ないよ?』

『ふふ、私やってみたんだけどさ。なんとこっくりさんまでもが私の好きなのは「クラス」って言い張ったんだよ』

『嘘!?ほんとに!?』

『うん、何度やっても「クラス」だって』


僕はこのとき悟った……

彼女には特別がない

皆平等な距離を保ってると

今思えば、彼女は特別がないじゃなくて、”特別を作らない”という意味だったんだ


『あ、因みに、嫌いな人はっていう質問したら、カルマの名前出たよ』

『あはは……可哀想に』

『分かりきってたけどね。嫌いな人って言われるとすぐに頭に浮かぶもん』


そんな特別を作らない彼女の唯一を支配してたのはカルマ君だ

その位置順で、彼女の心理を玉座においてる


僕は見てしまったんだ……彼女の首にある痣を

カルマ君と間宮さんが授業サボりをした日

きっとカルマ君が付けたであろう……赤い痣を

彼女に認識をされないように隠されたカルマ君の場所を


僕はどこにもいない

ただ、彼女と一緒に帰るという友人の仲だ


『間宮さんは他の人と帰ったりしないの?』

『んー、たまにカルマと鉢合わせして帰るときはあるけど……基本は渚だね』

『どうして?』

『どうして……か。どうしてだろうね、渚が一番距離感をわかってくれてるから、かな』


もし僕が踏み込んでいたら彼女の心理の玉座をカルマ君から奪うことがで来ていたのだろうか

いいや、奪うと決めたんだ

だから僕は彼女に踏み込む

嫌いという玉座じゃなくて……好意の玉座を受理してもらうために



「間宮さん、放課後……話があるんだけど」

「?うん、いいよ。どうせ渚と帰るんだし、帰りながらでも構わないよ」

「いや、長くなりそうだからここで。ごめんね」

「そっか。じゃあ放課後に後談笑ー。私は今からイリーナ先生と烏間先生との対決の行方を見てくるよ」

「ありがとう。いってらっしゃい」

「はーい」
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