第3章 正夢リヴァイバル
次の日、律と名付けられた機械少女は元に戻っていた
寺坂くんにまた匿って貰わないとかこれは
それともサボりコースか……?
思考を巡らしていると烏間先生が入ってくる
「今後、このような改造も生徒への攻撃と見なすそうだ」
「親御さんはなんでも言いますね」
でしょうねー……対先生用に攻撃特化にされてるものを改造しちゃったらね
『もしくは人形かな?』
「!」
ここでリピートされるか
あの不思議な台詞
人形……
理解し始めたとき、律が起動を始める
「……寺坂くん」
「逃げんな」
「うおぅ……」
血も涙もない……
けれど、逃げる必要というものはひとつもなかった
「花を作る約束をしていました」
教室全体に咲き散る花びら
満面の律の笑顔
「私個人の意思で「協調能力」は必要と判断し、メモリを隅に隠しました。こういうのを反抗期、と言うのでしょうか」
人間、誰もが通る反抗期
律も人工知能なりに、学んだんだ
「そんな律は悪い子ですか?殺せんせー?」
「いいえ、中学三年生らしいいいことです」
私はこのとき、律から一つ学んだ
自分の意思で行わず、誰かに言われたままを演じるのは……本当にただの機械だと
そして、カルマが言ったように……
それはただのロボット……または人形だと
「……やるね、ありがとう。律」
「なんのことでしょう?」
「私が、私であるための定義の話」
「?」
これは誰も知らないお話だ
私と、彼だけの、定義の話
こんなこと考える人なんて居ないよ
貴方がたまたま私のそばに来て
私に踏み込んで
私に嫌われて
私を追い詰めて
私に論議されて
私に答えたから出来たもの
ゆっくりと瞼を閉じて、深呼吸
答えが出るときはいつも楽しい
そんな私の姿を見て、もう一人、楽しそうに微笑む人物
「……どうやら、伝わったご様子だ」
それがカルマだったのは……私は知らない