第3章 正夢リヴァイバル
「おはよう、雪乃」
「おはよう」
「うん、目は腫れてないね」
顔を寄せて確認される
ふと、その姿を見た瞬間に昨日のことを思い出した
……ダメだ、あつい
「離れ、なさい」
「いつもなら平気なくせに」
両手をパッと伸ばして顔ごと離そうとしたけど、手を重ねられて防がれる
ぎゅっと掴むように指を取られてしまってるから、離すにも離せない
くそ……なんでそんな平然と
確かに涙を止めてもらえたから感謝だけど
あんまり気にしてなかったのに、顔近づけるから
暫くぎゃんぎゃん騒ぐ私と、笑いながら返すカルマの様子を見ていた自律思考固定砲台……合ってるかな
が、問い掛ける
「これが世に言う夫婦漫才というやつですか?」
「違う!大分違う!」
「寧ろ渚くんと茅野ちゃんの方が似合うよねぇ」
「なんで僕らに飛び火したの!?」
このクラスを代表する仲の良さだからじゃないのかな
私とカルマはこのクラスを代表する仲の悪さなんだけどな
「ていうか、離してよ。手の大きさ違うから私痛い」
「じゃあこのままグッと……」
「やめて!?」
「やらないよ。そもそも俺荷物置きたいから離すつもりだったし」
ならさっさと置きなさいよ
ジト目で睨んで手をやっと離してもらう
そこへ渚が来て、私の手と自分の手を重ね合わせた
「?どうしたの」
「いや、あんまり手の大きさ変わんないなぁって。それでも僕の方が大きいかな」
「男子と女子、という時点で差はあると思うよ」
「だよね。あはは」
どうしたんだろ
なんか……渚らしくもない
「私もやるー!!」
「うわ!か、茅野ちゃん!」
「じゃあ私も便乗ー!」
「倉橋さんまで!?」
それを深く追求する前に、もみくちゃにされる運命が私を迎えていた