第3章 正夢リヴァイバル

家に帰ると、私は着替えもそこそこにお風呂へ直行した



チャプ……



「……はぁ…………」

肩まで浸かって、瞼を閉じる



『……雪乃、止めてあげるから、手、退けて』



そうすると、先ほどの映像がきれいにリピートされた

唇を指でなぞり、不確かな思考が確かになって、火照らせる


「……嫌いなのに…………」


嫌いなのに、どうして私にあんなこと……

嫌いな人がキスしたりする？

涙を止める方法……これしかなかった？


……だとしても、なんで彼は嫌いだと言いながら笑ったんだろ


「…………もうやめてよ……」


私は踏み込まれたくないし、踏み込みたくない

親密になって、親しくなって……離れられるのが一番の恐怖だから

そして……


赤羽 業に至っては……あの瞳を見るという恐怖がまだ、残っているから


これ以上踏み込んだら……私はまた追いかける

また追いかけて、同じ過ちを繰り返す

繰り返して……また居なくなる


他の人ならどんなに良かったんだろう

他の人なら離れても、そんな親密になるほどの関係はないのに……


赤羽 業というのが規格外

赤羽 業があんなに、踏み込んでくるとは思ってなかった

抉じ開けられる……私が、私の心が



でも……







「ダメなんだ……私は、まだ怖い」






今日の夢ですら、恐怖を感じてるんだから