第3章 正夢リヴァイバル
静止画……でも見てる気分だ
ゆっくりと瞼を開けた先の光景を見て、そう思う
思惑通りというかなんというか、涙は止められたようだ
見開かれた目も、動きも、感情も、思考も……もちろん涙も
見計らって離し、残した手を撫でるように滑らせた
「……嫌いだよ、雪乃なんて」
一応、お願い通りの言葉も添えて
そして、その言葉を言った俺は……
”微笑んだ”
普段なら笑いながらなんてこの言葉を使わない
いや、あいつよりも俺はこの言葉自体多用しない
だから、わかってるはずないんだ
内心でも笑みを漏らしながら、立ち上がる
「帰ろーぜ。俺が奢ってあげるよ」
「へ…………あ、い、いいよ。私、…………えっと」
「良いから、俺が呼び出したんだから。それに、泣いたなら冷やさないと次の日ヤバイよ」
混乱、よりは困惑している彼女は疑問を浮かべたまま素直に言葉に応じた