第3章 正夢リヴァイバル
曲がり角を曲がった途端に、その姿を見つけて俺は叫ぶ
「間宮!」
「かる…………」
安心したように一瞬緩ませ、飛び込んでくる
携帯……は、まぁいいか
諦めて手から力を落として受け止める
「……ね、当たったでしょ?」
「うん……当たった」
声が震えてる……初めて聞くな
ゆっくりと声量を落として撫でる
「もう少し、待って」
離れて、目を閉じているように促す
喧嘩が見られるのが嫌な訳じゃない
ただ、この震えてる彼女の体に相手を見せて
これ以上の恐怖を与えたくなかったから
ひとつ、ふたつとここのなかで唱えてる
それを確認して一気に……
「っ!」
苛立ちを叩き付ける
大して脅威ではない……俺にとって
けれど彼女にとっては脅威なんだろう
いくら運動ができる方の部類とはいえ
力の差はある
最後の一人が地面に倒れた時、30を唱える声が聞こえる
なんか走ったりして座りたかったけど
彼女の瞳が開く前に抱き締める
植え付けられなくていい
その恐怖は
治る傷とは違う
その手と同じで
「手……大丈夫?」
「大丈夫、大丈夫だよ」
自分に言い聞かせてる感が強いな
取り合えず離れないと……
そう思い、回れ右の方向へ進ませた