第3章 正夢リヴァイバル
「はぁっ…………はぁっ」
どうして私は走ってるんだっけ
何から逃れてるんだっけ
そう考えながら、痛んだ腕を押さえながら走る
そうだ、高校生に追われてて……
タバコとか吸ってるところを見ちゃったから
なんか理不尽に捕まったんだった
この制服が有名どころなのもあったから
大通りに出てしまえば良いのだが……なにぶん捕まった場所が捕まった場所で
逃げた方向がもう大通りから離れる方向だった
必死でアドレス帳を適当に開き、ほぼ連打で着信を掛けた先は幸にも不幸にもカルマだった
自分が何を言ってるのかわからないのに
すぐに状況を呑み込んでくれたのは流石だ
けど……
『良いから走って、絶対に当てる』
「でも……!」
当たらなかったら?
すれ違ったら?
私の不安感を嗜めるように言い切る
『大丈夫』
未だに通話は切られていない
私の体力的にもそろそろ限界だ
くっと、喉が詰まり、もう足を止めてしまうと緩んだとき……
「間宮!」
「かる……」
ま…………
姿をしっかりと確認する前に、私は緩めかけた足を意地で動かしそこへダイブした