第3章 正夢リヴァイバル
あの日は本当に……雪乃から電話が掛かってくるなんて思わなかった
焦ってたから電話帳の一番上にでも掛けたんだろうけど
「な……『助けて!』は?」
『なんか、っ……変な人!あの……っ』
たぶん、本人も自分がどういう状況なのかわかってない
けど、焦りようと単語から叫ぶ
「なんでもいい!場所は!?」
『ばっ……しょ、は…………路地、違う……!駅の近くの、本屋さんの方に、向かって』
駅、本屋……路地
あぁ、どこだっけ
必死で頭を悩ませながら自分の過去の経歴を漁る
……あそこか
「とにかく走って、絶対に当てる」
『え、でも……』
「大丈夫」
一応着信は切らずに走る
なんの自分の自信かわからなかった
けど、確実に同じ場所に行ける自信があったんだ
嫌いな相手だから、会わないようにするために、行きそうな場所を避けてきた
なら、そこへ避けずに行けばいいわけだ
そして、断片的とはいえヒントがある
目標は同様に走ってる
もし外したら会えない可能性の方が高い
俺だってさ、長く言い合ってきたやつを見捨てるほど
「……バカじゃないっ……!」