第3章 正夢リヴァイバル
「…………雪乃はさ、俺がもし……お前の罪のうち、もうひとつは許してるって言ったら…………どうする?」
「え…………」
許してる…………って、どれを……
罪という言い方は正しくないかもしれない
罪、私たちにとってはそれは自分達が過去に互いに犯した業……
許された気がした……ではなく、許されてる
果たして私が思ってることと同じ……なのかな
「どう、どうする…………えっと、困惑する」
「それは今の現状だね。確証が無さすぎたかな。良いよ、俺は雪乃を許すよ。俺に……仮面を使ったの、許してあげる」
嘘つきな私を……許した……?
なんで?
許されるようなこと……してないのに
「いつ……許すようなこと」
「二年の春……よりは少し後かな。初めて”ありがとう”って雪乃が言った日」
「!」
あれ……か
あれは……あんまり、思い出したくない
顔から血の気が引くのがわかる
カルマに感じた恐怖とは別の恐怖
「……許して、くれてたの。あれ」
「許してたよ。あんな笑顔が……嘘だなんて思えないから」
頬杖をついて、微笑む
「教えてやるよ、俺があの日、なにを考えてて、なにを思って、なんで許したのか」