• テキストサイズ

【暗殺教室】君が好きになるまで

第2章 持続性スリープ


「あれ……」


茅野ちゃんに言われた通り、暖かいココアでも買おうかとロビーの方に向かう途中

夢ではなく現実にその赤髪がいた

あれ以来、暫く会話をしていなかった、しなかった相手だ

ベランダ……縁側?みたいなところで飲み物をもって黄昏てる


……二人だし、驚かすくらいの気分で今はいいか


「……"カルマ"」

「…………ビビった。雪乃か」


何にそんなに驚いたんだ

名前で呼ばれたことか、それとも普通にいきなり声をかけられたことか

そんなことを思いつつ近づく


「飲むかい?ココアだけど」

「それ買おうと思ってたの。ちょうだい」

「はい」


手すりに寄りかかり、貰ったココアを含む

飲み始めてからあんまり時間が経ってなかったんだろうか、まだ暖かかった


「珍しいね、私はともかく、貴方が起きてるなんて」

「寺坂うるせぇんだもん。まぁ、それ以外で起きたんだけど」

「……寺坂くんかわいそ。不利益な罪だ」

「それは雪乃でしょ」

「!」



思わず飲んでいたココアを落としかける

まさか、ね。カルマ……それ以外で起きたって…………

夢じゃないでしょうね



「雪乃、俺の業を背負えって意味じゃないんだよ。あれは」

「………………」

「悪かったと思ってる。八つ当たりみたいになっちゃったね。でも、俺はあんたには裏切られたくなかった」


知ってるよ

だからあぁ言ったって

私も信じてもらいたかったからこうなったって

知ってるよ


「…………裏切らないけど。貴方の期待には」

「……俺は結構臆病だからね。警戒しなくて良い?」

「うん、良いと思う。私の手が届くなら、少しくらいは助けてあげれるから」


届けばの話だけど


「赤羽 業……」

「……今だけ、名前でお願い」

「………………カルマ。カルマも伸ばしてね、私が届かなかったら」

「りょーかい」


貴方も私も今を望んで、今以上を望んでるのかもしれない

でもそれは今じゃなくて良い

この悪夢を解決してからでも遅くないはずだ


「雪乃、それ飲みきって良いよ。残り全部あげる」

「どうも。寝る、の?」

「暫くは起きてるだろうねぇ……一緒に寝る?」

「お断りしまーす。寺坂くんがうるさいそうですし」

「寺坂かわいそ」

「ブーメランだ」
/ 262ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp