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【暗殺教室】君が好きになるまで

第1章 貴方が嫌い


「…………あ、ヤバい……」


私の意識が覚醒したのはもう太陽がしっかりと顔を出していた時間

素直に言うと午前九時過ぎ。言うまでもなく遅刻の時間

寝癖のついた髪の毛を手櫛で整えながらスマホを眺める


おお……殺せんせーからの着信がたくさんだ

てか何回掛けたのこれ

スクロールしてもしきれないその着信数に恐怖すら覚えそう……


そう思いながらも遅刻だというのにのんびりと私は支度を済ませ、十時を回るか回らないかのところでやっと自宅を出た


通勤ラッシュの終わった静かな電車に乗り、朝よりも少し日照りのある校舎への山道を上る

そこを上ると見慣れた校舎が姿を現した


ガラガラ……と、クラスの扉を開ければ私に視線が見事集中


「間宮さん!!全然登校してこないので先生心配しましたよ!?」

「あは、寝坊しちゃいました。週明けは起きれなくて」

「珍しく来ないものですから何回連絡したことか……」

「56回ですね」


そんな会話を交わしながら自身の席に着く

先生がなにやらお説教を始めたようだが……聞く意味なしと判断したので右から左へ聞き流す


「おはよう、んー、こんにちは?まぁいいや、お疲れさまだね。雪乃ー」

「中村ちゃん……眠気には勝てなかったよ」

「そこかい、私のお疲れさまは宿題が増えるって意味だったんだけどなー」

「あぁ、そういうの……「聞いてますか!?間宮さん!」なら、まだ平気だから大丈夫だよ」


「無視ですか!?」


あ、先生が泣き始めた

これはめんどくさい

やりすぎたかな……と、苦笑いを始めたところで空席の席を視界に入れた


誰の席か何て知ってる。誰がいないか何て四月からわかってる


わかってるから、その名前を私は"嬉しそう"に呟いた





「…………赤羽 業……」





なぜならば、その名前の主が、今日停学が開けるのを知っていた私としては……


その人物がこの場に居ないことに感銘を抱いていたからだ
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