第10章 未来的アナザーエンド
「にしても、初めてのデートが思いで巡りとは、らしいと言えばらしいけど」
最後に、あの神社の上に上ってると
後ろのカルマがそういう
私は振り返らずに答えた
「運命とは、もっともふさわしい場所へと貴方の魂を運ぶのだ」
「またシェイクスピアかよ」
「よくわかったね。流石三年間全国模試でトップ争いをしてただけはある」
遊園地よりも
水族館よりも
ここがいい
この地が
私は好きだから
「カルマ!」
「んー?ちょっ、バカ」
「あははっ!」
よそ見をしている彼に
勢いよく振り替えって階段を飛び降りる
数段下に居た彼は
バランスを崩しながらも手すりを支えに私を受け止めた
「って……あっぶな」
「……私、カルマとあえて良かった」
「は?」
ぎゅっと体を抱き締めて
すがる
「カルマと会わなかったら、こんなに安心して階段から飛び降りれなかったと思う。こんなに、帰ってきて良かったって、思えなかったと思う」
「…………」
「ありがとう……私を見つけてくれて。ありがとう……私を好きになってくれて。ありがとう…………私を、待っててくれて」
ありがとう
私を、好きでいてくれて
「ごめんね……私、カルマが好きだ。もう一度、好きになれない。ずっとずっと、カルマが好きだったから」
昨日、カルマ次第って言ったのは
カルマが今の私を認めるまでの時間が
好きになるまでの時間だと思ったから
でも
カルマは三年間私を好きだった
私も、そうだった
だから
もう一度はない
「……大好き…………大好き……大好きだよ」