第10章 未来的アナザーエンド
・
・
・
電車に乗って
整備された道を歩いて
私有地になっている山道を通る
もうこの道は誰も通ってはいないけど
記憶のどこかで、それで良かったと思う
この場所を最後に踏みしめていたのが、自分達で
他の誰かに荒らされたくないって、心から感じてるから
「なつかし……」
呟いた先には
古くなってしまった校舎
最後の一年を過ごした、校舎
カルマ曰く
皆で定期的に掃除をしているらしいから、案外あの頃とあまり変わってないそう
ところどころ、新しい木材に変わっていたりはするけれど
ぐるりと校舎の回りを一周しようかと近づき、気づく
あれ?
花壇のところに花が添えてある
それも、まだ新しい
一日二日、経ってるか経ってないかくらい
「誰か来たのかね。茅野ちゃん辺りかな?」
「そっか……お姉さんの居場所でも、あるもんね」
茅野ちゃん……
本当
貴方ほど、辛い思いをした人はいなかったのに
最後は殺せんせーを守るために戦ってくれて
一番、E組を愛してくれた人はいなかった
私はその花の横に持ってきた花束を置き
手を合わせた