第10章 未来的アナザーエンド
他人事
もはやどうでもいい感情だと言いたげに
大の字に寝転がって天井を仰ぐ
それでも
カルマは何かを思い出すように続けた
「後何回、後何回って……呟いて、あの頃みたいに暗示をかけてんだよ。もうすぐ、会えるからって」
「…………カルマ……」
「おすすめされたやつ、全部読んだよ。好みじゃないのもあったけど、全部読んだ。雪乃を知りたくて」
「……………………」
なにか言おうと思ったが
遮るように下から母親の声がした
ご飯が出来たらしい
反応してカルマが大きく足を振って起き上がった
「でも、寂しかったけど、何かでそれを埋めようとは思わなかったよ。まぁ、浅野とのバトルで気晴らしはしてたし」
扉まで歩いて振り返り
にっこりと微笑む
それは三年前と同じ笑顔で
私の大好きな顔
やんわりと胸元が暖かく感じて
あぁ……やっと、感覚が戻ってきたと思う
貴方と過ごすときに
いつも感じる感覚
「三年間ずっと、俺は雪乃が好きだったよ。やっぱり、約束以外を忘れるなんて出来なかったわ」
話すと、暖かくて
「行こうぜ。おじさんと佳奈さんが待ってる」
「……うん。行こう」
カルマは私の手を握って
もう一度呟く
「嘘じゃないからね」
触れると、熱い