• テキストサイズ

【暗殺教室】君が好きになるまで

第9章 好きになるまでカウントダウン


「んー……!はぁ…………」


大きく伸びをして、その改札口で時計を見る

4時36分……家につくのは5時くらいかな

大きなキャリーバックを片手に慣れたはずの道を歩く

三年のラグがあっても流石に家近辺の地形は変わらなかったようだ

以前より整備された道を眺めながら、変わらぬ自宅を見付ける


なんだか不思議な気分だな

自分の家なのにインターホンを押すなんて

苦笑いをしつつ、可愛らしいチャイムを鳴らす

声がスピーカーから流れるよりも先に慌ただしい音が聞こえ、玄関が開く



「おかえり雪乃!」

「わっ、……ただいま、お母さん」

「寒かったでしょう。ほら、上がりなさい」


キャリーバックをお母さんが持ち、誘導されるように上がる


「ご飯、用意しとくから。部屋に行って荷物置いてらっしゃい」

「うん、ありがとう」


お礼を言って、自分の部屋に向かう

やっぱり自分の家が落ち着く

寮は二人組の部屋だったし

プライベート空間は大事だな


ガチャ……と、ドアを開ける



「?」



なぜか付いてる灯り

そして……


「…………不法侵入……って、知ってます?」

「ぜーんぜん?寧ろ正面から招き入れられた」



カルマ



私の布団で寝転がりながら本を読んでる


「……何読んでるの?」

「んー、なんだっけ。ハムレット」

「あら、珍しい……」


隣へ寝転びながら、微笑む

顔立ちも少し変わった

声の質も変わった

体つきも、変わった

それでも私は落ち着いていた



なんでかな

わかんないや



「……ちょっとごめん…………」

「っ……なに」



首もとに指先が辿り、それを探り当てる

例のごとく私としては非常にくすぐったくて余り好ましくない



チャラ……



「!」

「……おかえり」



探り当てたそれは銀色のリング

愛しそうにそれに口付けをして約束の言葉を口にされる


……あぁ、そういうことか


独りでに納得

そして微笑む



「……ただいま」



/ 262ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp