第9章 好きになるまでカウントダウン
私の返答に、彼は満足したように一度瞳を閉じる
それから自身の腕の中に私を納めて、乞う
「……好きなやつ、できた?」
「……ううん、かっこいい人はたくさんいたよ。でも、なんか違うの」
「高望みだねぇ…………でも、俺も同じだから。…………ねぇ」
声色が変わったことに
私は次の言葉を予測した
きっと、あの三年を互いに忘れることなんて出来なくて
この三年が欲求不満で
お互いにちゃんと理解できる年齢になったからこそ
リスタートを切るには、このプラマイゼロが一番いい
「君が好きになるまで、後どのくらい?……俺を、好きになるまで」
そして私たちは
同じ人間を好きになる
To be continue……?