第9章 好きになるまでカウントダウン
僕らは烏間先生の配慮によって
無事卒業式に参加することができた
A組の浅野くんたちも記者たちからガードしてくれて
輸送車までエスコートしてくれたりもして
「あれ、間宮。お前もここで降りるのか?」
「うん、ここでいいの」
前原くんの問いに、泣き顔で微笑む
ここ、というのは、同じく車を降りようとしていた人物の家
カルマの家だ
家が近所同士だからここで降りても問題ないと思うけど
「前原くん、二人の家は近いから大丈夫だよ」
「茅野……」
その言葉を発した茅野に驚いて見ると、笑って耳打ちされる
「深く追求しないであげようよ。ね?」
「……そうだね」
二人は二人なりに、僕らとは違うものがあるはず
「茅野の言う通りだよ。車が止まる回数は少ない方がいいし、二人なら平気だよ」
「なら、いいけどよ」
「ばいばーい雪乃ー!」
「じゃーな、カルマ!」
各々が声を掛ける中、僕も言葉を送る
「二人とも!今日から大切な日になると良いね」
二人にしかわからない言葉に
二人は初めきょとんとしてたけど
理解して笑った
「うん!」
「りょーかい!」