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【暗殺教室】君が好きになるまで

第2章 持続性スリープ


「………………」

「あ、別に嫌なら良いんだけど……」


嫌ではない……けれど、学校につくまでの間に話しきれる自信がない

それでも、話してはおかないといけない話だ


「……そうだね、私が話すと自分を美化しちゃうかもしれないから……カルマ…………赤羽 業からも聞いてね」

「うん」


いつもより歩調を緩めながら、私は口を再度開いた









小学生の頃から、私はクラスの中では大人しいイメージにされてて、結構頼み事とかもされてた


断れない性格もあるし、自業自得なんだけど…………


だから、中学からは心機一転しようと思って、あんまり知り合いのいないこの中学を選んだ

そのころはまだ必要学力もあったしね。努力を使えばなんとかなるレベルだった

大人しいイメージをやめたくて、身近な人ほとんどと”関わりという関係”を手にいれた



「……その時、その関わりを踏み荒らした人がいた」



それは渚でもなく、他ならぬ赤羽 業

同じ小学校でもないのに、知り合いでもないのに……あの人は私に言ったの



『俺のなかにあんたは何人もいるんだけど……どれが間宮 雪乃なの?』



入学してからの期間で、つまり時間で表すと三ヶ月程度で、彼はなにを知ったと言いたいのか……

そして、何故こんな質問をしたのか……


端から見たら誰もなんのことかわからないでしょうね


だけど……それが私個人で、私単品へ言った言葉なら…………



『……………………』



それは私への質問だ

当初の、関わりを持ったりする前の、私への質問


『…………なんのことだか、私は元々一人なのに。ドッペルゲンガーでも出たのかな』

『ずっと目を離してなかったのにどうやってドッペルゲンガーと入れ替わるんだよ』

『じゃあ結論だ。私は一人、どれもこれもない』


おかしいよね、そんなんで怒るほど私は短気じゃなかったのに……内心はイライラしてた

土足で踏み荒らされた気分だ


『第一、貴方の中の私が何人居ようと……他の人に聞いたら全員一人っ返ってきます』

『ふぅん、なら、全員にどんな性格で、どんなやつだったって……聞いても良い?』


それは…………


ぎゅっと、拳を握りしめて顔を反らす





『……それをしたら、私は貴方を嫌いになります』
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