第8章 期待値アンサー
バシャーン!!
「おお!!」
「やったぁー!!」
「………………」
大量の水しぶきが周囲に散り、彼らの到着を知らせる
駆け寄るE組生徒には付いていかず、私はその場から動かなかった
約束を守るために
冷めたような感覚は……きっと私が彼らの声を聞いていなかったせい
暖かい感覚は
未だにあの人にしか抱けてないせい
暫く皆の歓迎に対応していた彼らは
視線で探して眺めている私に気がついたようだ
視線が交差して、私はやっと笑う
「雪乃」
「間宮さん」
二人は私の前に来ると待ち遠しい台詞を口にした
「「ただいま」」
……私が笑顔を受け入れれるようになったのは
このやりとりが、このやりとりに
嬉しさを感じれたからかもしれない
『笑ってあげなさい。笑いたくなくても笑うのよ。それが人間に必要なの』
あぁ……どんどん疑問が晴れて
答えが出てくる
人を見ることって、答えが出るんだな
笑いたくなくても私は笑ってきた
それがみんなを支えれていたなら……それは
皆の期待に応えれていたことだ
それに納得できた私は
再度笑う
「……おかえりなさい。待ってたよ」