第8章 期待値アンサー
先生考案による宇宙作戦
それが発表されて皆がそれぞれの役割をこなし始めた頃の放課後
私は殺せんせーに呼ばれた
「おお、間宮さん。ささ、どうぞこちらに」
「はい。何の用でしょう」
指定された椅子に座って向き合う
正直なところ
私は呼ばれた理由も告げられてないのだ
疑問顔で見ると、先生はさも当然のように言う
「先生の出した課題……答えは出ましたか?」
……最近は色んなことがあって
すっかり後回しにしてたその宿題
数秒の沈黙のあと
私は笑った
「……皆はそれぞれ、個々の素晴らしい才能を持ってます。捉えてるだけじゃ……敵わないでしょう」
目を見て、話す
「私は渚とカルマを三年間捉えてきて、やっとこの間……後悔しました」
捉えるだけでは、見えない部分があると
「人の変化やその真意を知りたくないから、見たくないから見てこなかった。でも、それは違う。彼は私に見てと言ったんです。自分を、見てと」
その日のあの人の目は
真剣さが伝わった
暖かさがわかった
寂しさがわかった
「人に見てもらえないのは……寂しいことなんですね。初めて知りました」
怒ったときも
私に言った
目を向いて言えって
ヒントはたくさん貰ってた
サービス問題だったのに
私は瞳を閉じ、また開いた
「すごく……見てると楽しいです。皆のことがわかって、知れて、楽しいですよ」