第8章 期待値アンサー
「さて、配置につこうかね」
ひとつだけ伸びをして、俺は旗の前へ移動した
移動する最中、木村と千葉の話し声が聞こえる
「なに話してんの?」
「あ、カルマ。それが……」
「間宮についてなんだが……」
雪乃?
一番に警戒すべき相手にあげられそうなのは
向こうのチームでは確かに二人いる
渚くんと……雪乃だ
けど、それは俺のなかだけで
雪乃が他のやつらの間であげられるのは不思議だ
「ほら、間宮が敵に回るってことは、俺らはあいつを倒さなきゃいけないってことだろ?」
「そりゃあ勿論ね。基本はなんでもできるから居られるとめんどくさいし」
「俺さ、あいつ苦手なんだよ」
「同じく」
?
苦手?
嫌われることはまずないとして、苦手……
その疑問は次の言葉で解決される
「”いつもの間宮”で来られたら……”敵”と思える自信がない」
「全員の味方……ってイメージが強いからな。敵になるイメージがない」
……確かに
俺はともかく
このクラスで雪乃が本性をさらしたときとすれば…………
あの触手事件のときのみだろう
しかも、その時はみんななんのことかわかってない
俺と渚くん辺りにしかいっている意味がわからなかっただろう
……つまり、
実質的に
全員の最上命令で頭に残しておかなくてはいけないのは
「赤チーム、常に頭に置いておいて欲しいことがあんだけど…………」
もしかしたら……厄介すぎるかもしれない
「間宮 雪乃は味方じゃないよ」