第8章 期待値アンサー
「残るは間宮さん、貴方だけですね」
殺せんせーの言葉に全員の視線が私を射止める
……前までの私だったら、逃げてただろうな
ひとつ呼吸をおいて、口を開いた
「……私は人の表情を見て、人に嫌われないように会わせて、中立のような立場に立っていたかったの」
でもそれは、昔だ
「誰かの味方で、仲間の敵で……自分の意見なんてどこにもなくて。そんなのが嫌で…………。そんな私に先生は宿題を出したの」
『提出期限は三月までです。自分の目で見て、どう思ったかを先生に教えてください』
「私はまだその宿題を終えてない。見るのは苦手で怖いから。でも…………私の才能が仲間を救えるのなら、怖くない」
一度だけカルマを見ると
「……お好きにどうぞ」
その返答に私は武器たちを手に取った
その色に、皆は予想外と言いたげに驚く
「先生もE組の仲間だよ。だから助ける。これが私の意見です」
カルマがいるから、大好きな人がいるから赤を選ぶと……みんな思ったんだろう
でも、それは私の意見じゃなくなる
カルマによって左右された意見になる
私はみんなが好きなんだ
青チームのみんなだって好きだから
仲間のために頑張る
たとえ、貴方と初めて殺意を交えることになっても
「第二ラウンド……ね。良いねぇ……元々俺らは対立しあってたわけだし。一周回って二週目ってこと」
「赤チームの皆も好きだよ。だから私は全力でやるからね。敬意を持って……」
「なるほどね」
私は裏切らない
皆には期待されてないかも知れなくても
私は……この人が期待した私の才能には裏切らない
「両チーム、準備は整ったか」