第8章 期待値アンサー
頭をかきながら彼はにらむ
カルマにとって渚はコンプレックスだ
自分を下げる行為はときに人をイラつかせて……
地雷になる
「カルマ君は殺せんせーのこと嫌いなの?色々楽しかったじゃん!」
「だから!!そのタコが頑張って、渚君みたいなヘタレ出さないために楽しい教室にしてきたんだろ!」
どちらも正しい
だから、誰も手出しができない
三年間同じな二人にみんなは踏み込めない
私が……止めないと
「その努力も分かんねぇのかよ!体だけじゃなく、頭まで小学生か!?」
「っ!」
どんどんエスカレートしていく光景に
手が震える
暴走し出したカルマを止めないと……
カルマの言葉でキレてしまった渚を止めないと……
三年間……二人をしっかり見てればよかった
今から募る後悔を
頭のなかから外へ追い出し
ついに口だけでは収まらず、手を出し始めた二人に
私は手を伸ばした