第7章 告白コンプリート&キャプチャー
「『夏の夜の夢・あらし』『テンペスト』『ロミオとジュリエット』……『マクベス』に『ハムレット』……ね」
「シェイクスピアばっか、って言いたいんでしょ。貴方のお望みな漫画系列はお父さんの部屋へどうぞ」
「別に漫画探してたわけじゃないんだけど……つーか、風呂から戻ってきてたんだ?」
「今戻ったの」
本棚物色されてるとは思ってなかったわ
荒されて困るものは全然ないけど
髪の毛をタオルドライしながら
本棚の彼の隣へ歩む
「ちなみにおすすめは?」
「えーと…………あれと、あとそれとあっちのも」
指を指して数冊あげていく
ほとんど私が最初の方に買って読んだものだ
小説にハマった要因、でもある
「カルマが読まなそうなのが主」
「嫌味?」
「読まないでしょ」
「はいはい……読みませんよ」
勝った
優越気味に微笑むと一睨みされる
おわ、怖い怖い……
「あー……くだんねぇこと聞いたわ」
「そうですか。髪の毛乾かすからその間に寝る場所でも確保しといてください」
「雪乃の布団奪うから大丈夫だよ」
「あ、そう」
狭くても知らないからな
そう思いながら、ドライヤーで熱風を靡かせる
タオルドライしてたお陰もあって、この長さのわりには早めに乾いた
櫛を軽くとおして整える
まぁ、早めといっても長さが長さなだけに
気が付けばカルマは既に私のベットで寝転んでいた
まるで我が家のように……
呆れながらも風邪を引いても困るので、エアコンの温度を下げてタイマーを仕掛ける
「おやすみ、カルマ」