第7章 告白コンプリート&キャプチャー
「渚ー!早くしないと始まっちゃうよー?」
「うん!ちょっと待って」
「もー、先いっちゃうからね?」
もう先に行ってる気が……
内心突っ込みつつ、茅野の隣へ急ぐ
ヨーヨーすくいに熱中しすぎたな……
こんなにとっても需要ないや
少し歩くと、茅野が歩くのを止める
「どうしたの?」
「なんか落ちてる」
「なんか?」
「りんご飴……かな?」
りんご飴?
覗き混むと
飴が砕けて、祭りの光でキラキラと輝くりんご飴が落ちてる
「誰のだろう?」
「階段から落ちたんじゃないかな。位置的に」
「じゃあ上にいるのかな?」
「たぶん……」
もう一度りんご飴を見ると
僕の脳裏を人物が過る
「……間宮さん?」
「え?」
「いや、食べたがってたなぁって。カルマ君と買いに行ってたみたいだし」
「それなら上には雪乃が居るんだ。花火始まるの教えてあげないと」
けど……
彼女がりんご飴を落とすなんて……
少し考えて
階段を上ろうとする茅野を止める
「渚?」
「茅野、きっと他の誰かが落としたんだよ。間宮さん以外もりんご飴食べるし」
「でも……」
「ほら、僕らも行かないと。時間遅れちゃうよ」
「あぁ!そうだった!」
慌てたように駆け出した背中を眺めて
一度だけ階段を見る
カルマ君、またちゃんとりんご飴、買ってあげなよ
きっと、この先にはカルマ君と間宮さんが居て
大事なときだ
邪魔しちゃいけない