第7章 告白コンプリート&キャプチャー
「皆が”好き”と違う意味で、渚くんが雪乃に抱いた"好き"と同じで、好き。なんでしょ?」
違うって、叫びたい
でも……叫べない
「……赤い…………ぜーんぶ、当たりなんだ?」
「っ……」
捉えてられなくなって
なにかに視線を動かしたくて
瞳をずらして踏み出す
……逃げたい
これ以上は、無理
ぐっ……
「逃げるの?」
「!」
……りんご飴…………落ち
逃げ出した体の腹部に腕が回って
その反動で手からりんご飴が溢れ落ちる
階段から落ちていくりんご飴に目が奪われる
「ねぇ今、なに見た?」
「へ……」
頭上から降ってきた言葉が圧を帯びてる
「すぐ逃げる……現実から背けようとして。もう一回聞くよ。"今、なに見た?"」
「り、んご……飴…………だけど」
「……俺は、見なかったくせに」
答えた私の耳元で
響いた
「俺を見てよ。りんご飴なんて、また買ってやるからさ」