第7章 告白コンプリート&キャプチャー
りんご飴をかじりながら、階段を上る
うるさい群衆から逃れるのは、神社の境内から離れるのが一番……だから
「……で、どうだった?当たり?」
「はずれ、当たりあんの?俺当たったことないんだけど」
アイスの棒を睨みながら、私の問いに答えた
さっきのおじさんがお詫び、口止めにくれたんだよなぁ……
アイス無料券
「私もそのアイス当たったことないけど……前に茅野ちゃんが当たり引いてたよ」
「ふぅん……」
まぁ、所詮はアイスだし
しかもお祭りで売ってるのだしね
あまり期待してもあれだな
「そうだ、カルマ」
「ん?」
鞄からスマホを取り出して、受信フォルダを見せる
「お母さんがね、今日はロールケーキ作るから帰りに寄ってねーって」
「ご丁寧に画像までついてんのね」
「材料から見るに、いちごとかのフルーツロールだろうね」
美味しそうだ
フルーツサンドの次に好きだ
「よかったね。カルマ、うちのお母さんの料理好きだもんね」
「うん、好きだよ。でも、俺さ……それより好きなもの、できたんだ」