第7章 告白コンプリート&キャプチャー
「撫でた。寝顔見たらお疲れさまって思って」
少し照れたようにはにかむ
自分でやったのに照れんなよ……
どれだけ自分からしたことないんだ……
「なんで?」
「いや……珍しいと思って。歌だって、人前で歌わないじゃん」
「お礼なの。皆のところ回って、歌って、撫でて……おかえりって」
だから、声が少し掠れてるのか
一時間、歌ってたから
「カルマが一番長かったよ。皆撫でたら起きるの」
「疲れてんの。寝てただけの人とは違って」
「おや、それは失礼しました。こっちは約束果たすために起きてから動き回ってんだけれど」
皮肉そうに笑い、彼女は立ち上がる
風に煽られた黒髪を手で押さえ、憂いた表情を見せた
「カルマが起きたから、もう約束は果たしたよ。皆のところ、行こっか」
彼女から手を差し出されるのは
もしかしたら初めてかもしれない
慣れないな……このパターン
「そうだね」
けど、差し出されたら伸ばさなきゃいけない
それは、約束だから
バレないように笑って、手を重ねた