第7章 告白コンプリート&キャプチャー
目が覚めたのは夕方だった
綺麗な歌が……目覚めるのを手伝ってる
……誰か、俺の頭を撫でてる……?
この歌…………雪乃が好きな……
考えるよりも、見た方が早いと思い
目をゆっくり開ける
……雪乃…………?
「~♪」
頭を撫でていたのも雪乃
子守唄のように、歌を口ずさみながら撫でてる
少し、掠れてる気もする
俺の視線に気が付いたのか
落ち着いたように少し笑って
瞳を細めた
「……おはよう。それと、おかえりなさい」
覗き込まれた水色の瞳が
夕暮れの色で赤く見える
なんかあったな……太陽の光で色が変わる宝石
えーと……
「…………アレキサンドライト」
「なぁに?それ」
「宝石、だよ。ただいま、雪乃」
思わず呟いてしまった宝石の名前
知らなかったのは意外だったな
二回目だが、彼女には一回目のただいまを送りながら起き上がる
「いつから起きてたの?」
「時計見てないからわかんない……でも、たぶん一時間くらい」
「体は?」
「このとおり、元気です。なんだか病気になる前より元気だよ」
手をぐーぱーやって体に異常がない、と、見せてくれる
いや、手だけでの確認は……
突っ込んでもここら辺の馬鹿加減は直らないのは知ってるから放置する
しかし……
頭に触れて、問う
「雪乃、俺の頭撫でた?」