第6章 心理的ザ リーズン
廊下へ出た瞬間
長い黒髪が床に広がっていた
「雪乃!」
駆け寄って体に触れると、異様に熱い
熱……他のやつらと同じか
「雪乃」
「………………」
呼んでから暫く応答のなかった水色の瞳が
うっすらと開く
「……カルマ、あ、はは…………また、動かないの、ね」
微笑しながら、呼吸は荒い
まだ触手のせいで回復はしきってないのに……
体が持たない
「お部屋、戻ろうと思ったの。あと少し、だったのに」
「お疲れ、頑張りを蔑ろにするようで悪いけど。皆のところ行くよ」
「皆……?なんで?」
「説明は省略。後で話すよ」
「……そう、……なんか、疲れた」
瞼がまた閉じる
極力体力を減らさないよう、自己防衛しだしたらしい
「持つよ」
「…………うん」
背中と膝裏に手を通し、持ち上げる
さて、とりあえず戻って……
きっと先生がなんかいい案考えてるはずだから……
頭のなかで考え、息を吐く
「……長そうだねぇ、今夜は」