第6章 心理的ザ リーズン
作戦は成功した
そう、私たちの中では完璧すぎるほど
今までのとは比較にならないほど、手応えがあった
なのに……
「油断するな!水面を見張れ!」
水面……
じっ……と、ボートから見ると
泡立つ水面
そしてそこから……
「ふぅー」
苛立つほどのどかに我が担任様が浮上なさった
「これぞ先生の奥の手、完全防御形態です」
『『完全防御形態……!?』』
「なにそれ……」
そんな形態あるの
「肉体を思い切り小さく縮め、その分余分になったエネルギーで肉体の周囲をがっちり固める。この形態になった先生はまさに無敵」
ただのチートだ……
自然崩壊するにせよ、身動きがとれないにせよ
核ミサイルでもダメージを与えれない防御形態なんて……
しかもBB弾に沈めても爆破させて逃げられる……
裏付け設定より質が悪いチートだ
ここまで頑張ったのに……完敗なんだ
「君達は誇って良い。世界中の軍隊でも先生をここまで追い込めなかった。ひとえに皆さんの計画の素晴らしさです」
先生のその言葉でさえも、今の喪失感には打ち勝てない
誰一人、言葉を発しようとしなかった