第6章 心理的ザ リーズン
「雪乃、カルマくんと一緒じゃなくて大丈夫なの?」
「大丈夫大丈夫。ご無沙汰迷惑も大概にしたいし」
「それはわかるかも。でも、私じゃもし雪乃が水に落ちちゃったら助けてあげれないからさ」
律の合図が来るまで、少しだけ会話する
「完全に泳げない訳じゃないから大丈夫だよ。毎回毎回カルマと一緒だから、ペアリングが出来ちゃったかな」
「私は二人とも自然体で楽しそうだからいいと思うけど……雪乃ってカルマくんと喋ってるとちょっとだけ、幼い口調になるよね」
おお……?
それは自分でも初知りだ
ふいに気が抜けちゃってたのかな
「それに、雪乃と居るときのカルマ君って、いつも以上に大人しくて優しい気がするの」
「気のせいだよ。私、怒らせてばっかだよ?」
嫌いあってた時期も、苛立たせることは多くあったのだし
今でも迷惑はたくさんかけてる
優しいと思うのは私が迷惑をかけすぎてて、それを解決させてるせいだ
苦笑いをすると、エンジンを掛けた茅野ちゃんがにっこりとわらう
「雪乃だけだよ。カルマくんに慰めてもらったのは。もっと威張っちゃえ」
その笑顔と共に、律の合図が響いた