第6章 心理的ザ リーズン
「夕食は、この貸し切り船上レストランで夜の海を堪能しながらゆっくり食べましょう」
磯貝くんのその合図こそが、すべての始まりだ
フォークを口に運び、注意しするように瞳だけ先生に向ける
食べまくってるな……
「あ、雪乃」
「んぁ?…………!?」
こ、これは…………
「かっらい!!」
「あぁ……だから言ったのに…………」
「うぅぃ…………」
不注意で食べ過ぎた……
辛いのあんまり得意じゃないのに……
「水いる?」
「くだはい……」
「はい」
呆れた様子のカルマから水を受け取り、口の中へ流し込む
ひりひりする……
辛いのがまさか混ざってるなんて……
「しっかりしてよ、辛いの得意じゃないでしょ」
「気を外してた…………先生なんて見張ってるんじゃなかったぁ……!」
「はいはい、毎度お馴染みの観察眼は今日は取り合えず捨てとけよ」
「ごめんなさい」
そう言いながら、項垂れる私に口直しと言わんばかりにケーキのイチゴをフォークに刺して差し出す
謝りつつもそれにかぶりつく
甘酸っぱい酸味と甘味が広がり、辛さを軽減させてくれる
助かった……
「さて、雪乃」
「りょーかいりょーかい。大丈夫」
額に手を添え、片目を瞑る
お食事は終わり
晩御飯食べずに作業してくれてる人だっているんだし
「暗殺教室は野外授業へと移転しまーす。と」