第6章 心理的ザ リーズン
「朝ぶり、です」
「お疲れさま、何で隣にA組のリーダー様が居るのか聞いて良い?」
「目眩がするそうなので連れてきてやったんだ」
送迎って言ってたんだから良いじゃんか
浅野くんからカルマ側へ移動し、手を振る
「ありがとーございましたー」
「お大事にな」
案外いい人だったな。浅野くん
さすがに病人には優しいのか
「帰ろっか、カルマ」
にっこり微笑むと笑い返してくれる
でもそれはどこかぎこちなくて、だからといって何かに悩んでいるというよりは……
スッキリしていた
「テスト、どうだった?」
「嫌だった。元担任と浅野くんに見張られてたの」
「それは嫌なダブルコンボだ。目眩は?」
「歩けないほどじゃないよ。ちょっと休んでたら、良くなった」
だからだな
私は貴方の感情がわかった気がするんだ
……もうすぐなんだね
もうすぐ……終わっちゃうんだ
「ねぇ、カルマ」
「んー?」
もう攻略の手前まで来てるんだね
でも……
「夏祭りの時期になったら、りんご飴食べたいね」
「いきなりどうしたの」
「夏の予定」
「あぁ、なるほどね」
私の最後のトリガーに
貴方は気付けないはずだ
「でもその前にリゾートだね」
「夏休み最初の課題かな」
それまでは、攻略させない