第6章 心理的ザ リーズン
「……無欲が羨ましいよ。俺はあいつと一緒に"居すぎたんだ"」
額を片手で覆って、嘆く
「"知らなきゃよかった"。そしたら、親友でいられたのに」
「!」
そうか、そうだったんだ
カルマくんと僕は、やっぱり反対だったんだ
僕は友達より上がよくて
カルマくんは親友でよかった
僕は今の関係が嫌で
カルマくんは今の関係がよかった
今の関係を……壊したくなかった
今を望んで、今以上を望んでる
カルマくんも、踏み込んだ先が怖いんだ
最後の一歩が……怖いんだ
「…………カルマくん」
「?」
僕が言っていいのかわからない
けど、伝えるべきだ
「間宮さんは、自分の気持ちを伝えるための踏み込む勇気は嫌いじゃないって、言ってたよ」
「!」
「だから大丈夫だよ」
きっと、彼女もカルマくんが…………
だから、僕のは実らないだろうけど
「ははっ…………そうなんだ。じゃあ……渚くんの最初の質問に、答えるよ」
好きな人が好きな人と幸せになれるなら、僕はそれでもいいと思う
『______。______』