第6章 心理的ザ リーズン
「……で、」
「ん?」
一時間目のテストを先生に突きつけ、訝しく目を細める
「浅野くんも監視役なの……!?」
「もちろん。言ってなかったか?」
「言ってない、微塵も言ってませんでした。先生だけだと思ってたのに」
授業受けなくてもいいのか、このひとは
普通に皆授業してるでしょうに
「理事長からの御達しだ。少しE組への僕の興味も混ざってる」
「まぁいいですけど……二人にされても困るし」
こんな先生と
「取り合えず、次の…………!」
視界が……
「おい!」
ガタン……!
やっば、まだ体が戻ってない……
額を押さえて、地面に手をつく
「大丈夫か」
「大丈夫……視界が回って…………。あー……椅子から動かないようにしよ」
机に戻って伏せる
後五分くらい休み時間残ってるはず
それまでに治ってくれればよし
「明日に回したらどうだ?」
「嫌だよ。本校舎来たくないもん」
「そういう問題か……」
「私はE組が好きなの」
そう言って、瞼を閉じた
チャイムが鳴るまで