第6章 心理的ザ リーズン
「仲、良くなったんだな」
本校舎に向かいながら、問われる
「睡眠不足も解消されたようだし」
「ふふ……ちょっとあってね。もう悪夢は見なくなったの」
「そうか、僕は腹立たしいけどな。睡眠不足でも平均点を取るやつだから」
「知らないんでしょう。私、勉強してるの」
寝たくなかっただけだけど
「テストの結果、皆から聞いたよ。また一位なんだ?すごいね」
「当たり前だ。強者のリーダーが一位じゃなくてどうする」
「でも、楽しくないでしょう。上に上れないから、下がるしかない。それを下げさせるのは……きっと、カルマだよ」
「なぜだ。あいつの順位、知ってるだろ?」
「知ってる。そんな簡単なことは知ってるよ。だからわかるの。カルマは貴方に勝つ。二学期のテストで」
宣言すると、校舎に到着した
校舎内の生徒が私を一斉に見るが、無視
……この人たちに笑顔を向ける必要はない
私にとって仲間はE組で、一番はあの人だ
だから、"ここ"に囚われなくていい
「……生徒指導室で受けてもらう」
そんな私に疑問視しながら、それでも仕事を全うする
良いね、私には踏み込んだらダメだよ
性格が変わった訳じゃないんだから
指導室に入ると、監視官の先生が一人
元、私の担任……ね
何を図ったんだろ
私はもう、この人の下には帰らないのに
「お久しぶりです。さっさと片付けましょうか」
そう言うと、私は"にっこり"と微笑んだ